簡単おつまみづくりでワインを楽しむ

今回、ブログを担当するのは私、GEN。
ワイナリーでは2019ヴィンテージワインの醸造が樽熟成を除いて瓶詰め完了。
このあと8月頃までは、葡萄畑の仕事が中心となる。

さて、外出自粛が続く中、かつては毎日のように「外飲み」をしていたのが「家飲み」を余儀なくされる日々である。
料理の経験が乏しい身としては以前からテイクアウト総菜が頼みの綱ではあったものの、ネットや冊子の「簡単総菜」やら「手間なしおつまみ」などを読み漁るうちに、意外と少ない手間でそれなりのつまみが作れることを知る。
なかにはワインとの相性が思った以上に良いものもあって、ワインとのマッチングを探すことも楽しめるようになってきた。
そこで今回のブログは、「簡単おつまみづくりでワインを楽しむ」としてみた。

紹介するのは、アボカドと玉葱と卵の和え物。時節柄、玉葱は食感の良い新玉葱を使用する。
これに合わせるワインは、甲州オレンジ2018である。

主な材料は、アボカド1個、卵2個、玉葱1/2個。
使用する調味料は、マヨネーズ、塩、ブラックペッパー。
では、簡単に作り方をご紹介。

アボカド、卵、マヨネーズのねっとりした食感と、新玉葱のシャキシャキとした食感が重層的に口腔を刺激する快感に包まれる。
そこに甲州オレンジを流し込むと、さわやかな酸味とほのかな苦み、さらに醸し発酵由来の複雑味が交じり合った独特の味わいが、口全体を包み込むように広がってから次第に料理と溶け合って、穏やかな余韻に導かれて行くのである。
これはやはり、甲州のようなニュートラルで線の細いタイプの白ワインよりも、オレンジワインのように少し複雑味が加わることで、卵の黄身やマヨネーズの味わいとうまくバランスが取れたということかもしれない。

さて、甲州オレンジについて少し説明をしておく。
「オレンジ」とはワインの色がオレンジ色を呈していることに由来する。
通常の甲州ワインは甲州ブドウをつぶした後、搾汁(絞って実、種、皮などを取り除く)してジュースの状態で発酵させるため、皮から色素が移ることがないのでほとんど色がない透明なワインになる。
これに対してオレンジワインの場合は、赤ワインのように、実、種、皮を一緒にしたまま数日間発酵させる。これを「醸し発酵(かもしはっこう)」という。このときにブドウの果皮から色素が移って淡いオレンジ色を呈するようになる。
その後、頃合いを見計らって搾汁し、あとは白ワインのように発酵を続けるのである。
白ワインづくりの工程に、この醸し発酵の工程を数日間加えることによって、白ワインでも赤ワインでもない、新しい位置づけのワインとして、今オレンジワインが注目を集めるようになっているのである。
いわきワイナリーでは2017ヴィンテージから甲州オレンジをつくり始め、好評をいただいて現在は2018ヴィンテージを販売している。
これからの時季、重い赤ワインよりも飲みやすい白ワインに心惹かれる季節になっていく中で、時には趣向を変えてオレンジワインを試してみてはいかがだろうか。