いわきワイナリーの
物語
平成21年8月
特定非営利活動法人みどりの杜福祉会は設立されました。
設立の数年前から広野の農園にてぶどう栽培を行っていた理事長が、
農作業を通じて、ハンディキャップを背負った人達に安心して自立した生活を送って欲しい
との思いからスタートしました。
平成22年4月1日
就労継続支援B型事業所「就労支援センター未来工房」がオープン。
その開所式において、メンバーやスタッフと共に、
好間農園にマスカットベリーAやメルロー等のぶどうの苗木を定植しました。
数年後には立派なぶどうの実を育て、オリジナルのワインを作ろうと、明るい未来を夢見ながら作業を行いました。
「ゆったりとした時間の中で育まれるワインは、障がい者に向くはず…。」
その頃、広野農園のぶどうは栽培から数年を経て、ようやくぶどうの実が育ち始めていました。
メンバーたちは、夏は汗だくになりながら毎日手入れを行い、冬は凍える寒さの中作業を行ってくれました。
平成23年3月11日
年が明けて、農園が再び緑を帯び始めた頃、
東日本大震災が起こりました。
原発事故の影響で、多くのメンバーが県外へ避難し、また、断水によってほとんどの作物が枯れてしまいました。
数年かけてぶどうを育ててきた広野農園は、原発事故の影響で、当時は立ち入りを禁止されました。
震災から約半年後、ようやく広野農園に立ち入ることができたものの、雑草がぶどうの樹を覆い尽くし、私たちは広野でのぶどう栽培をあきらめることにしました。
放射能汚染の問題により、県内産の農作物が懸念されるようになり、事業所の存続も危ういと感じた私たちは、多くの方たちの後押しを受け、屋内で作業を行うことができる宅配弁当未来キッチンを立ち上げました。メンバーの約半数がキッチンでの作業を行うこととなり、慣れない仕事に悪戦苦闘しながら毎日がんばって作業を行いました。
そんな中でも農業も継続し、収穫物はスクリーニング検査を受けたのち加工品として製造販売するようになりました。
平成24年9月
震災から1年半後、
設立当初からの夢であったオリジナルワイン作りのために、
好間農園にて、再び本格的なぶどう栽培を開始しました。
広野農園での栽培が難しくなった為に、新たに大久農園での活動も開始しました。
暑い夏の季節を経て、平成25年秋、好間農園においてたくさんのぶどうを収穫することができました。
いわき初のワイナリーを目指す上での大きな一歩となりました。
収穫したぶどうは、山梨県勝沼にある東夢ワイナリー様の協力の元に、スタッフ数名が何度も勝沼に通い、オリジナルのワイン作りに励みました。
平成26年2月
そうして、平成25年秋に収穫したぶどうで初めてのワインが完成
「いわき夢ワイン2013」のお披露目をすることができました。マスカットベリーAの単一品種のワインです。
支援を求めるメンバーが増えてきたことを受けていわき市とも協議し、平成26年2月に、新たに就労支援センター未来ファームを立ち上げました。未来ファームにおいて、本格的なワインづくりを行っていきます。
平成27年2月
2つめのオリジナルワイン
「いわき夢ワイン2014」が完成しました。
いわき産ワインを応援する約200名もの有志の方にお集まりいただき
「いわき夢ワインを育てる会」の設立総会と共に、ワインの完成お披露目を行いました。
平成27年3月
「いわきワイナリー」の名称で、果実酒製造免許を取得。
平成27年の秋より、いわきワイナリー本格始動を開始。
一つひとつにこだわりを持ち、大切に育てたワインは、平成29年ふくしま地産地消大賞優秀賞、ふくしま産業賞特別賞を受賞。平成30年3月、いわき市好間町半貫沢を開墾し、農園約0.6haをオープンしました。
平成30年7月
いわきワイナリーガーデンテラス&ショップをオープン
今までよりもより多くの方に、いわき産のワインをゆったりとした気持ちで楽しんでいただける場にしたい。
私たちのたくさんの想いを込め、ワインと共にこの場所を育んでいきます。